少数株式の処分方法

1. 非上場株式を譲渡する方法

非上場株式は、取引市場で売却することができません。また、一般的に、非上場株式を買おうとする譲受人を見つけることは難しいといえます。
ただし、非上場株式の譲受人がいる場合には、以下の手続により、譲渡することが可能です。
以下では、非上場株式の発行会社を「A社」とし、非上場株式を有する株主を「A社株主」として、非上場株式を譲渡する方法を説明します。

(1) A社株主が、A社に対して、次のア及びイの請求を行います。

ア A社株式の譲渡承認請求
保有するA社株式を譲受人に譲渡することについて、A社が承認をするか否かを決定することの請求(以下「譲渡承認請求」といいます。)をします。

イ A社又は指定買取人による買取りの請求
A社が上記アの承認(以下「譲渡承認」といいます。)をしない旨を決定した場合には、A社又はA社が指定する買取人がA社株式を買い取ることの請求(以下「買取請求」といいます。)をします。

(2) 譲渡承認請求がA社に到達した日から2週間以内に、A社からA社株主に対し、譲渡を承認するか否かの決定が通知されます。

ア A社が譲渡承認する旨を決定した場合
A社株主は、譲受人に対し、A社株式を譲渡することができます。

イ A社が譲渡承認しない旨を決定した場合
(i) A社又は指定買取人から、A社株主に対し、譲渡承認請求に係るA社株式を買い取る旨が通知されます(以下「買取通知」といいます) 。
買取通知の時期は、A社自ら買い取る場合には譲渡承認しない旨の通知から40日以内、指定買取人が買い取る場合には譲渡承認しない旨の通知から10日以内です。

(ii) A社株主は、A社又は指定買取人と売買価格を協議することになります。
A社株主又はA社並びに指定買取人は、A社株主が買取通知を受領した日から20日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができます。

(iii) A社株主は、売買価格が確定したら、A社又は指定買取人から売買代金の支払いを受けます。

2. 課税上の留意点

上記1のとおり、A社が譲渡承認をしない旨を決定した場合、A社又は指定買取人がA社株式を買い取ることになります。
いずれが買い取るかにより、課税関係が異なるので注意が必要です。

  • (1) A社が買い取る場合、売買代金のうち資本等の額を超える部分が配当とみなされるため、その部分は総合課税の対象となります(最高税率の場合、配当控除を加味すると48.6%)。
  • (2) 指定買取人が買い取る場合、売買代金と取得価額との差額(譲渡益)に譲渡益課税が課されます(20%)。