非上場会社の少数株主の悩み(株式を所持し続けることで生じ得る問題)

1.非上場会社の少数株主
相続したり、会社から新株の発行を受けたりすることなどによって、証券取引所に上場していない会社、すなわち非上場会社の株式を取得しても、その経営に関わることのできない株主の方(このような株主を本コラムにおいては「少数株主」といいます)には、非上場会社の株式を保有することによる問題が生じることがあります。
どのような問題が生じるのでしょうか。

2.非上場株式の処分は難しいこと
非上場会社の株式は、証券取引所を通じて売買することができません。しかも、そのように流通性が無く、経営にも関与できない少数株主の株式を売却しようとしても、購入希望者はおよそみつかりません。
なお、非上場会社は、その多くが、定款で、譲渡による株式の取得については会社の承認を要する旨を定めています。このような「譲渡制限株式」(会社法2条17号)の株主は、会社の承認がない場合、当該会社又は当該会社が指定する者が買い取ることを請求することができますが、このような請求ができるのは、株式についての購入希望者がいることが必要となります。
そのため、非上場会社株式を売却しようと思っても簡単にはいかないのです。

3.少数株主の置かれた立場
また、多くの非上場会社では、経営に関与していない少数株主の利益が顧みられない傾向にあります。多くの非上場会社では、利益が出ても役員報酬や内部留保としてしまい、株主に対する配当としては使用されないことが多いため、少数株主は会社の利益の分配を受けることもできない傾向にもあります 。
非上場会社については、経営に関与しないのであれば資本出資をする意味は乏しいとさえ言われているのです 。

4.非上場株式の評価
このように非上場会社の少数株主は、その保有する株式を売却することもできず、保有しても経済的利益を得ることができない状況にありますが、それにもかかわらずその少数株主が死亡し、相続が発生した際には、当該株式が原因となってその相続人が多額の相続税を負担することがあります。非上場会社の利益が内部留保として積み上げられた結果として、その株式の相続財産としての評価額が高額になることがあるのです。

5.問題提起
このように、非上場会社の株式は、利益をもたらさないにもかかわらず、相続の際には大きな負担となることがあるといった問題があります。そのため、そのような株主においては、その保有する株式をどうするか一旦立ち止まって考えてみることが有益と思われます。